お風呂の丁度いい温度言われる「不感温度帯」。お風呂の温度によっても、疲労の回復効果が異なります。お風呂には疲れを癒すための正しい浸かり方があり、その一つの方法として「不感温入浴法」というお風呂の入り方があります。
そこで、この不感温入浴法の魅力について徹底的に解説していきましょう。
お風呂で身体が癒せる理由とは
いったいどうしてお風呂につかることで体の疲れを癒し、疲労回復に効果があるのでしょうか?それには、主に3つの理由が挙げられます。
<お風呂に浸かると体が癒せる3つの理由とは>
・交感神経による老廃物の排出
・副交感神経によるリラックス効果
・血流の正常化
1.自律神経の乱れの改善
自律神経は、緊張状態の時に優位に立つ交感神経とリラックス状態の時に現れる副交感神経の交互のバランスによって成り立っています。
人の体は、交感神経が優位に立つことによって緊張状態となり、新陳代謝が活性化します。これによって体にたまった老廃物の排出を促し、疲労物質を除去する効果があります。
また逆に、副交感神経が優位に立つことで、身体をリラックス状態に保つ効果があるのです。
2.血流の正常化
また自律神経の乱れを正常にすることで血流を正常にする効果があります。
お風呂の温度帯による入浴法の種類とは
お風呂の湯温にも様々な温度帯が存在し、それらお風呂の様々な温度によっても体への影響は大きく異なります。
入浴の温度帯には、主に下記のような種類の温度帯があります。
<これらの温度帯による入浴法の種類とは>
超高温浴:約45℃以上
高温浴 :約42~45℃
温浴 :約39~42℃
微温浴 :約37~39℃
不感温浴:約34~37℃
冷温浴 :約25~34℃
冷水浴 :約25℃以下
※これらの湯温は、人種によっても異なるため、参考温度としてご参照ください。
入浴とは、その湯舟の温度によっても身体への影響は異なってくるため、どの温度帯が良いかを把握しておく必要性があります。そこで、温度が「高温浴」と「低温浴」とではどのように身体へ影響に違いがあるのでしょうか?
1.高温浴による身体への影響・・・
眠たいときに少し熱めの高温浴に浸かると、眠気が覚めてしまう経験はありませんか?
そう。この時、交感神経が刺激されるため、目が覚めてしまうのです。
高温浴になるとリラックス効果もありますが、長時間の入浴は、交感神経が刺激されていくため、血圧上昇等の症状が現れることもあるため、高血圧の方やご高齢の方には注意が必要な場合もあります。
2.低温浴による身体へのの影響・・・
低温浴というのは、身体が冷えてしますようなイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。
スパのようなものを想像してください。
低温浴は、逆に副交感神経が刺激されやすくなります。
これによってリラックス効果が高まりますので、一見体のリラックス状態を気づかず感じないこともありますが、体の状態が落ち着いていくのです。
また低温浴では、急激な血圧の上昇や呼吸や脈等への影響を与えるリスクが少ない形でリラックス状態を作り出すことができるので心臓の疾患があるような方には安心して入浴することができます。
熱めの温浴42℃以上は身体にいい影響あるのは間違い!
湯舟に浸かる際に、日本人で多い温度は「約42℃」と言われています。じゃあ、この温度が一番体によいかというとそういうわけではありません。
<入浴における正しい入浴の仕方とは>
・高温浴は、筋肉痛等が起こった時や血流の改善に効果的
・低温浴は、リラックス状態を作り出すのに効果的
それでは、この高温浴の場合と低温浴の場合に2つに分けて、その効果の特徴を解説していきましょう。
<高温浴(約42℃)の場合>
・交感神経が高まる
・発汗作用
・心臓への影響
・血圧の上昇
・脈が速まる
・胃腸機能の低下
<低温浴(約40℃)の場合>
・副交感神経が高まる
・リラックス状態を保つ
・胃腸機能の活発化
・睡眠の質向上
このように、高温浴の方が疲れがとれるイメージがありますが、実際には交感神経が高まり、脈も速くなります。
40度程度のぬるめのお風呂に入る方が、副交感神経が刺激され、心身がリラックスしていきます。胃腸の働きが活発になり、睡眠の質を向上するのです。
リラックスするためにおすすめ「不感温入浴法」の特徴とは
不感温入浴法とは・・・
温度の感じ方には、「熱い・ぬるい・冷たい・丁度よい」があり、この丁度良いと感じられる温度帯が存在します。この領域を「不感温度帯」と言い、この入浴法を「不感温浴」と言います。
その温度目安が、下記の温度になります。
不感温度帯:34~37℃
そこで、疲労回復やリラックスした状態を効果的に作り出すことができる「不感温入浴法」の特徴を解説していきましょう。この無感温入浴法には4つの特徴があります。
<不感温入浴法の特徴について>
・入浴時間:約2時間以内
・湯温:約34~37℃前後
・副交感神経が優位になる
・長時間入っていることができる温度
このように、長時間浸かっていられる入浴法で、副交感神経を継続的に刺激することでリラック状態を効果的に高めていくことができる入浴法なのです。
不感温入浴法の主な4つの効果について
またこの不感温入浴法には主に4つの効果が期待されています。
<不感温入浴法の5つの効果とは>
・脈の正常化
・睡眠の質改善
・鎮痛効果
・自律神経の乱れの改善
不感温入浴法は、心疾患等を抱える方でも安心して長時間入浴することができる入浴法です。これによって、自律神経の乱れや脈を正常に整え、痛みの緩和や睡眠の質を向上させることができます。
不感温入浴法はどんな方におすすめ?
この不感温入浴法は、多くの方に効果が期待される入浴法の一つでもあります。この不感温入浴法は、特にどんな方におすすめなのでしょうか?
<不感温入浴法がおすすめの方とは>
・ご高齢の方
・鎮痛効果を得られたい方
・精神神経系疾患がある方
・高血圧や心疾患の方
但し、一つだけおすすめができない場合があります。それは、筋肉疲労がある場合に関しては、体に乳酸がたまっている場合があります。
そういった場合には、なるべく身体を温め、老廃物を除去する必要性がありますので、42℃程の温度でしっかり体を温めることをおすすめします。
まとめ
このように、入浴においも様々な温度帯によって体への影響は異なります。自分の体がどんな状態であるのか、病気や年齢も含めてしっかり考えながら、よりリラックスできる入浴法を正しく理解していきましょう。
そんなときに誰でも効果的リラックス状態を作り出すことができる万能な入浴法が、この不感温入浴法なのです。お風呂の正しい入り方を理解し、よりリラクッスできる自分にあった入浴法を確立していきましょう。